
【ゲーム企業】高騰するゲーム価格の誤解
Nintendo Switch 2の発表以来、インターネット上ではゲーム価格の上昇について多くの不満が上がっています。
其れらは主に海外のユーザーから聞こえています。
比較すると、国内のユーザーは其れ程気にしない様です。
Switch 2には、例えばゲームキー・カードの様な欠点がある事は認識していますが、価格は其の一つではありません。
Switch 2のゲームは高過ぎるか?
この質問に答える前に、先ず貴方に質問があります:物理的なカートリッジでゲームを発売した事がありますか?
抑々ゲームを発売した事がありますか?
Switch 2のゲーム価格の高さに不満を言う人達は、明らかに其の実情を知らないのだと思います。
気づいていないかもしんが、デジタル専用のSwitch 2ゲームは、Switch 1、PS4、PS5、又はSteamと同様に、非常に安価です。
デジタル専用でゲームを発売した事がある人なら、其れがどれ程低コストかを知っています。
必須のコストがない為、価格を安く抑えられるのです。
然し、ディスク、カートリッジ、ゲームキー・カード、或いは単なるシリアルコード入りのボックスでゲームを発売する場合、非常に高いコストに直面します。
Nintendo 3DSやWii Uの時代、あたしはデジタル専用でリリースしていましたが、それはIARCが存在する前の話です。
又、パッケージ版の制作コストについても把握しています。
IARCが存在する前は、地域ごとの年齢評価に費用がかかり(1地域略20万円)、ゲームのローカライズや、マニュアルやストアページの翻訳にもお金がかかりました。
未だ発売していないゲームの為に、既に約1000万円を支払いました。
開発機の購入や、学生を雇ってアートや音楽を制作したコストを加えると、其の3倍にも成ります。
広告は殆ど出来ませんでした。
何故なら、其の時点で資金が底をついていたからです。
其れでも、YouTubeでトレーラーを公開したり、大きなゲームジャーナリストのハブでプレスリリースを公開したりしました。
任天堂も発売1週間前にあたしのゲームを宣伝してくれる等、少し手助けしてくれました。
これは全て10年以上前の話です。
今日のコストを想像してみて下さい!
デジタル配信の場合、今日では当時より約950万円安く済みます。
AIの翻訳やローカライズを活用すれば、更に50万円安く成ります。
然し、パッケージ版のゲームを発売する場合、上記の全てのコストが依然としてかかります。
実際には更に大変で、任天堂にカートリッジのフラッシング、ボックスの3Dプリント、及びボックスアートの2D印刷され、任天堂まで新幹線で其れらを受け取りに行く、国内及び国際的な小売店への配送等のコストが加わります。
売れなかったゲームは全て収益の損失に成ります。
一方で、ゲームが直ぐに売り切れた場合、追加のカートリッジやボックスを注文し、再度任天堂まで受け取りに行き、小売店に再配送する必要があり、更にコストが増えます。
だから、9000円のゲームが高過ぎるかという質問に対する答えは:いいえ、高くありません。
今日の経済状況、ゲームを市場に出す為のコスト、そして1人ゲーム開発スタジオとして得られる注目がどれ程少ないかを考えると、パッケージ版ゲームが9000円というのは妥当です。
デジタル専用ならもっと安く出来ます。
然し、デジタル版がパッケージ版と同じ価格である理由は、デジタル版の価格を下げるとパッケージ版を売れなくなる問題が生じ、結局損失を被るからです。
次回にゲームの価格上昇について不満を言う前に、先ず自分でパッケージ版ゲームを発売してみて下さい。
そして、其れが正しいか間違っているか、教えて下さい。
以上