原則して、Cruxはパッケージマネージャが入らなくて、FreeBSD、OpenBSD、NetBSD等とみたいにポーツコレクションが有ります。
あたしは20年間ぐらいDebianベースディストリビューションを使いましたが、2017〜2021年はMan(ko)jaroが気に入りました。
2021年よりArtix Linuxに移行しました、その間にサーバーでDebianからDevuan、FreeBSD、及びOpenBSDに変更しました。
最近は特にCruxに気に入りました。
しかし、デフォルトでインストール出来るソフトウェアは少なくて、ドキュメンテーションが殆どありません。
でも、Crux向けポーツを作るのは本当に簡単です。
Gentooと同じく、Cruxはソースベース的なディストリビューションです。
まずは新しいフォルダを創作しましょう。
mkdir -p ~/.local/src/ports && cd ~/.local/src/ports
後はソフトウェアのフォルダを創作し、これ内にPkgfile
というファイルを作成して下さい。
例えば、i2pd。
mkdir i2pd && cd i2pd
nvim Pkgfile
一番上部分で4つのコメントで御座います。
Descriptionは説明(例:C++系I2P)、URLはソフトの公式ページ、Meintainerはあなたの名前とメールアドレス(偽名等もOK)、Depends onは従属ソフト(ライブラリー等)。
従属ソフトがなければ、不要です。
後はname(パッケージの名前、小文字ローマ字のみ)、version(バージョン)、release(普通に1でOKです)、及びsource(ダウンロードURL、.tar.gz、.tar.bz2、か.tar.xzは必要)。
最後にbuild(創作)関数があります。
自分でソースをホスティングするのは必要ではありませんが、あたしがそれが好みます。
# Description: PurpleI2P i2pd
# URL: https://i2pd.website/
# Maintainer: Suwako Moriya, suwako at 076 dot moe
# Depends on: gcc clang boost openssl cmake zlib
name=i2pd
version=2.47.0
release=1
source=(https://github.com/PurpleI2P/$name/archive/refs/tags/$version.tar.gz)
build() {
cd $name-$version/build
cmake .
make
make DESTDIR=$PKG install
mv $PKG/usr/local/bin $PKG/usr/bin
mv $PKG/usr/local/lib64 $PKG/usr/lib
rm -rf $PKG/usr/local
}
i2pdの問題は、デフォルトで/usr/local
にインストールされています。
しかし、Cruxはこのフォルダが全然使いませんので、make install
の後で手動で/usr
に移動します。
開発者に教えられるインストールする方法と殆ど同じですが、違いは$PKGです。
make install
は make DESTDIR=$PKG install
となります。
$PKGは仮に作られているフォルダパスです。
それの中に普通のパスと同じです。
例えば$PKG/etc/nginx
、$PKG/home/suwako/.xinitrc
、$PKG/usr/bin/zsh
等。
次はポートパッケージを作ります。
あたしは「doas」を使っていますが、「sudo」を使ったら、これを使って下さい。
doas pkgmk -d
-d
は「ソースをダウンロードして」と意味です。
既に同じフォルダで.tar.gz
ファイルがあれば、このオプションは不要となります。
成功にコンパイル出来たら、新しい「.pkg.tar.gz」ファイルが出てきます。
ポーツツリーのルートフォルダに帰って下さい。
cd ~/.local/src/ports
そこはhttpup
レポジトリを作りましよう。
httpup-repgen .
新しいREPO
ファイルが創作されています。
これを確認して下さい。
下記みたいな結果があれば、良いです。
cat REPO
d:i2pd
f:1afa91184220d16c5431efab3919118e:i2pd/.footprint
f:edd3f864018c2c87a99b395d75d87c55:i2pd/.md5sum
f:71a4616aeec73486d4e5c350c20cf9fd:i2pd/Pkgfile
ホストがご自由に決めて下さい。
あたしは勿論自分のサーバーでホスティングしています。
ちなみに、一般ネットサーバーとダークネットサーバーはrsyncで同期していますので、どっちでも使っては良いです。
cd ..
rsync -rtvzP ports (貴方のホスト名かIPアドレス):(webrootのパス)
ところで、次のステップは1回だけが必要となります。
doas nvim /etc/ports/myports.httpup
ROOT_DIR=/usr/ports/myports
URL=(貴方のホスト名かIPアドレス+パス、あたしの場合=https://076.moe/repo/crux/ports/)
このファイルをホスティングするのは必要はありませんが、他人は貴方のレポジトリを使うにはとても便利です。
次はprt-get.conf
に有効にしましょう。
doas nvim /etc/prt-get.conf
...
## configure directories prt-get will source ports from
## note: the order matters: the package found first is used
prtdir /usr/ports/core
prtdir /usr/ports/opt
prtdir /usr/ports/xorg
prtdir /usr/ports/myports
...
ところで、この同じファイルで、prtdir /usr/ports/contrib
を有効にするのは勧めます。
デフォルトで、必要な従属ソフトが公式レポジトリが入っていませんので、contrib
を有効にするのは凄く便利となります。
比べたら、CruxでcontribレポジトリはArchかArtix等でのAURみたいなイメージがあります。
終わったら、ポーツツリーを更新しましょう。
doas ports -u
問題がなければ、下記みたいに出力が発生します:
...
Updating file list from (貴方のホスト名かIPアドレス)/ports/
Updating collection myports
Checkout: myports/i2pd
Checkout: myports/i2pd/.footprint
Checkout: myports/i2pd/.signature
Checkout: myports/i2pd/Pkgfile
Finished successfully
...
じゃ、i2pdをインストールしてみましょう。
doas prt-get depinst i2pd
installコマンドもありますが、それが従属ソフトがインストールしていませんので、depinstの方が勧めます。
prt-getの使い方については次回書いてみます。
この記事を書きながらCruxにfcitx5、mozc等をコンパイル中ですので、それはそろそろあたしのレポジトリに入ると思います。
以上
匿名自営業076の設立者
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